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映すは蒼

 今日は本当に疲れた。定期テストが終わり夏休みが目の前。夏休みが始まるということは文化祭の準備が始まることを意味する。またテスト期間でできなかった生徒会の仕事が山積みだった。同じ生徒会のメンバーと仕事分担をしていくつかは処理したが完全下校時刻までずっと仕事漬け。先生とのアポ取り、部長への提出書類の催促。まだまだやることがいっぱいあってため息が出てしまう。帰ってきたらきたで久々に家族が夕飯に間に合うよう仕事を終え帰ってきたからいろいろ話した。うれしかった反面、何か話さないといけないという重圧も何となく感じた。今日はいろいろ頑張った。えらいぞ自分。明日は休みだ。ご褒美をあげよう。
 そんな風に自分を褒め倒している中鏡が目に入った。
 今日も話題になった私が小さい頃よく話しかけていた鏡。好きだった絵本のセリフをまねして話しかけていたっけ。
 近づいてみると一部ヒビ割れてしまっている。昔から家にあるという鏡。私が物置から無理言って運び出してもらった鏡。
「鏡よ鏡
……なんちゃって」
 返事がないことなんてわかりきっている。今日は疲れたのだろう。子供のころの真似して鏡に話しかけるぐらいには疲れた。それはもう、立っていられないぐらいに。

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